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オーストラリア養鹿協会(DIAA)との交流会に参加いたしました

2026年09月07日

写真左から押田敏雄(全日本鹿協会副理事長/国産ジビエ認証機構認証事業部長)、鮎澤廉(国産ジビエ認証機構代表理事)、宮脇豊氏(全日本鹿協会評議員)、橋爪秀一氏(全日本鹿協会理事長)、マッキノン会長夫妻、小林信一氏(全日本鹿協会副理事長)、米村洋一氏(全日本鹿協会副理事長) 

8月26日、オーストラリア養鹿協会(Deer Industry Association of Australia。DIAA)のマッキノン会長ご夫妻が来日され開催された全日本鹿協会主催の交流会に当機構代表の鮎澤もお招きいただき、参加してまいりました。

全日本鹿協会は世界各地の養鹿、鹿利用を研究しており、マッキノン会長とも旧知の間柄だったことから、今回の交流会が実現しました。交流会は、オーストラリアの養鹿産業の現状について学び、親睦を深めることを目的に開催されました。

オーストラリア養鹿協会は、養鹿農家や加工事業者等鹿産業に関わる関係者が会員として参加する団体で、鹿肉や鹿茸の取扱いに関するルール策定について政府機関と協議したり、業界の課題の洗い出しや解決への議論をしたり、会員の要望を取りまとめて政府へ提言したりという活動内容は当機構の役割に大変似通っており、同じような目的を持つ海外の団体の代表と直接意見交換をさせていただけたことは非常に有意義でした。
マッキノン会長ご夫妻も、当機構の活動に関心を持ってくださり、雑談の中でいろいろな質問をいただきました。

冒頭、マッキノン会長が経営する養鹿場「アードノ・ディア・パーク(Ardno Deer Park。ADP)」(ビクトリア州)や、オーストラリアの養鹿産業の現状についてのプレゼンテーションがありました。

オーストラリアの養鹿はベルベット(鹿茸)が主目的で、20事業者ほどで年間12~15トンを輸出しています。鹿茸の品質管理には、技術、衛生管理、トレーサビリティをカバーするNVAS(National Velveting Accreditation Scheme)の認定制度があり、厳しく管理されています。ワンシーズンに2回採取し、2回目のほうが高品質とされ、通常kgあたり100ドルほどのところ180ドルになることもあるそうです。鹿茸用の雄鹿は10~12年飼育された後、トロフィーハンティング用として販売、または食肉として利用されています。牛よりも生産効率が高く、また、利用の幅が広いのが養鹿の特徴です。

マッキノン会長が経営するADPでは、800haの牧場で2000頭の羊とともに1800頭の鹿、うち鹿茸用の雄鹿800頭を飼育しており、近隣の養鹿事業者からの買取を含め、8トンの鹿茸を輸出。ニュージーランドから優良な血統を人工授精で導入し、鹿茸の高品質化も進めています。

オーストラリア国内の食用利用は、日本同様そこまで一般的ではないようです。マッキノン会長夫妻が30年前に食用に販売したときは「こんな肉食べられないと言われ、まったく売れなかった」とのこと。しかし、この10年ほどで、野生の鹿の被害の拡大もあり、ようやく少しずつ売れるようになってきたそうです。

しかし、養鹿場の鹿肉は野生の鹿肉と競合しており、「味や品質では有利だが、価格面で負ける」とマッキノン会長は話しています。また、養鹿は家畜扱いのため、通常のと畜場で処理できますが、近年中小のと畜場減少しており、処理できると畜場がなくなっているのが課題になっています。今回、日本の関連施設を見学したのも、小さなと畜場設置の可能性を探るためだったようです。

交流会では、このほかオーストラリアにおける狩猟、日本の有害鳥獣捕獲にあたる捕獲制度、ペットフード利用などについても議論され、当機構としても大変学びの多い交流会となりました。